木の笛たちが響きあう
KOCOMATSUに新たな輪が生まれたディジュライブ。ちいさな八面体のスペースが浮かび上がらせてくれた響きの世界。昼はステンドの光と混じり合い、夜はキャンドルの光で浮かび上がる響きと混じり合う世界。
昼の世界と夜の世界のコントラストを改めて感じる時間になりました。この日のライブのために何度か集まった演奏者たちは、この日の瞬間の中にこれまで育まれてきたディジュへの思いを出しきっているようでした。 お互いに刺激し合い、学び合い、新しいステップを踏み出す機会にもなったように感じました。車座になるライブには、不思議な一体感が生まれます。だれもが、輪の中心に向かって会話し、誰もが中心であり、輪の一部である。あたかも自分が吹いているような錯覚に陥る...。 演奏者なのか聴衆なのか...。その違いが消え去る。それが、一人ではなく、二人でもない、三人の奏者が一つの場で響き合うことの豊かさではないか。そんな思いが、今回のライブへの思いでしたが、それは確かに現実になったように思います。 与えることも受け取ることも、一つのことなのだという命の原点。それを言葉ではなく、そのことそのものとして感じる。命の喜びがどこにあるのか...それを密かに感じる。音の響きが本来持っているものは、小鳥たちの囀り、獣たちの声、風が届ける森の秘密、水の流れ、寄せては返す波からのメッセージの中にあるのでしょう。それをディジュの素朴な響きが知らせてくれるのだと思います。 ラブフルートもまた、私たちを取り囲む自然の歌い手たちから知らされる.....。「愛の笛・Love Flute」が伝えています。そのメッセージを小さなスペースの中で受け取り、それぞれの場に旅立っていく。この世界のみんなが繋がっている。小さな人間の自負心で世界を狭めるのは愚かなことだと野の鳥や獣たちは歌っています。 疲れた時、弱った時。喜びの時、感謝があふれた時。KOCOMATSUを訪れるのもよし、そっとその空間を思い起こすのもよし。 それぞれの命が大地と繋がり、空に繋がる。そのターミナルポイントの一つKOCOMATSUにやってきた3人のディジュ奏者たちは、それぞれを待っている場に出向いて行くのだと思います。 ディジュ、ラブフルート、三味線、ドラム、歌声.....。楽しい時間でした。みんなで輪になって、アボリジニの歌を聴き、「ウッ!ウッ!ウッ!」と声を出す時、不思議な力がやってきます。現地語で「進む・歩く」という意味を持つのだとか。単純素朴に、誰もが加われる「ウッ!」を、集われた皆さんが、きっとどこかで思い出し、元気をもらえるかもしれません。密かに「ウッ!」で繋がってると思うと、どことなく楽しくなってきます。 夕暮れの空に浮かび上がったウサギ
by ravenono
| 2010-10-25 12:51
| 響きあう
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