時の流れ・光の移ろい
KOCOMATSU建設のプランの段階で、丸太倶楽部のIさんが小さなカラーのガラスブロックをはめ込んでみるのもいいかもしれないと口にしました。デザインのポイントとしてのお話でした。
調度数ヶ月前に、ステンドグラス作家のIさんに、あまり予算はないけれど可能な範囲で作品を作ってもらいたいとお話していました。Iさんが作家活動で苦戦し、最悪の事態もあるかもしれないという話を耳にしていたことも気になっていました。もう一つは、かつてガラス作品のコンペに参加する時Iさんの工房を丸二日借り切って、徹夜でなんとか締め切りぎりぎりで作品が完成し、なんとか間に合ったことがありました。 その時の作品が、北海道地域の優秀賞をいただき、さらに全国展に出品し、さらに旭硝子賞をいただくことになりました。それなにり賞金をいただき、繋がっていた仲間に声をかけ祝宴の席にお招きし、お礼をして終わりました。 ただ個人的にはIさんに、いつか恩返しをしたいと気にかけたまま10数年が過ぎてしまいました。このまま流されるのも嫌だと思っていたところに、Iさんの苦戦状況を伺い、この機会に少しは役立つかもという気持ちで、作品をお願いしたのでした。 この流れが一つになって、カラーガラスブロックが本格的なステンドグラスのプランが始まったのです。Iさんは、最初自分でデザインしたら..と口にされました。しかし、私の気持ちは、なんでも自分で手掛けるところにはなく、Iさんが作りたいようにしてもらえたら、それが嬉しいとお伝えしました。それなりにモチーフやイメージをお伝えし、後は作家にゆだねるという形になりました。 KOCOMATSUが8面体であることもあって、Iさんからのプランには予想外のステンドが用意されていました。小さな作品を自宅の居間に一つという最初の話が、KOCOMATSUの話になって、結果的に5枚の作品が組み込まれることになったのです。 小野さんがやるのなら..という彼の言葉には、様々なニュアンスがこめられていたと思います。私がココで何をしたいのか..それなりにお伝えしていました。その思いに何らかの共感をいただき行動に移してくださったのです。 こうした出会いと繋がりが、KOCOMATSUを作り上げたのだと思います。人を愛すること、繋がりを大切にすること、全力で惜しみなく取り組むこと、掛け値なしに大切だと思うこと与えることを喜ぶ生き方...。 私は、恩返しをするどころか、むしろこれまで以上にたくさんのご恩をいただくことになりました。KOCOMATSUのステンドグラスを見上げ、差し込む美しい光を見つめ、部屋中が光の移ろいでいっぱいになる時、輝きへの感動とIさんの生き方への感動が一つになっているな..と感じます。 Iさんの人生に注がれた光。その光が、ステンドの美しさを浮かび上がらせ、その心を動かし、懸命に作品と向きあう道を与えてくれたのでしょう。 ステンドの美しさもさることながら、Iさんの生きる姿勢、光と輝きを喜び、楽しみ、感動を分かち合おうとする純粋な思い、美しさに繋がる心。彼の作品は、心の目でそれを見つめ、感じる人々への愛や祈りとなり、心の奥深くに純粋な感動と感謝を呼び起こしていくことと思います。
by ravenono
| 2010-07-24 14:12
| 光の移ろい
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