三味線の響き

 2010年12月4日の午後2時からと7時からの2回。KOCOMATSUで三味線の演奏会が開かれます。演奏会のきっかけは、生の三味線の響きに反応する不思議な感覚から始まりました。

 三味線のイメージが先にあって、メディアからの情報があって、そこで止まっていたのだけれど、実際の響きに触れてみて自分の中の何かが繋がる感覚。それまでに三味線に触れていなかったわけではないけれど、心にその響きが届くのには時があるのだと思います。三味線と合わせてラブフルートを吹いたのは、亡くなられたTさんとの演奏が初めてでした。今回の三味線演奏者とは二人目になります。

 三味線の響きが、KOCOMATSUの空間で広がる。それを演奏者も喜び、聴衆も存分に感じることが出来る。それぞれの思いが合わさって、今回のライブが計画されました。これまでには、他の楽器との組み合わせで聴こえて来た三味線を、それだけで純粋に感じ取りたい。その思いが実践されることになりました。

 これまでに何度か、一緒のステージに立たせていただいてきた草舞弦のS氏は、太棹の津軽三味線を演奏されますが、激しさや力強さだけではなく、繊細な味わいが好きだと話しておられました。ゆったりのんびり流れてくる三味線の響きを味わってほしい。ただ、それだけの思いで、これまでにも出来る限り皆さんに感じてもらいたいと企画してきました。

 フルート吹きが三味線を伝えたいと思うのは何故なのか、この機会に自問してみました。どうやらあの響きは日本の風土に染み込んでいる、もしくはあの響きは日本の風土から生まれて来たのだなという気持ちが湧いてくるのです。さらに言えば、どうしようもなく自分たちが生かされている大地と一つなのだという感覚がしてきます。

 どんどん複雑で大掛かりな楽器に向う流れの代表はピアノやパイプオルガンでしょうか..。三味線や尺八という素朴な楽器の流れ。それは一見単純でスケール感の乏しい音楽のようですが、実際はどうなのでしょう。

 そのあたりを実際に感じてもらうひとつのきっかけになるかもしれないと思っています。一人の人間が手にする楽器。その関わり方を客観的に見てみると、ちょっと不思議で面白い。楽器と密接につながっている人が、楽器をなくしたらどうなるのかな...と思ったりもします。

 寒さが増してきたこの時期、まあるくなってゆっくりと三味線の響きに浸るのも良さそうです。お時間が取れそうな方は、どうぞお出かけください。流れによってはラブフルートとのコラボもあるかもしれません。
by ravenono | 2010-11-18 10:05 | 響きあう
<< ラブフルートから生まれたKOC... 冬の光を待つ >>