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活き活きとした100歳のフルーティスト

  100歳のフルーティストSさんが二人の娘さんと一緒にKOCOMATSUにやって来る様子はどこか水戸黄門ご一行という感じでした。

 とはいえSさんは杖など全く不要。スポーツシューズを履いて軽々と石段を踏み元気に挨拶をされました。予期せぬ軽快な動きにビックリしながら中にご案内しました。

   それぞれのマイフルートを取り出して早速レッスン開始となりましたが、いつもの80代の方々のレッスンと変わらない雰囲気でした。フルートの音色もしっかり聞こえて来ましたし、マイフルートがとても似合っていました。

 飲み込みが早く、好奇心いっぱいで、声がしっかりしておられるのが印象的でした。物怖じしないし、樹の種類に詳しく、並んでいるフルート達に興味津々でした。樹種によって印象の違う響きを感じ取りながら、ご自分のフルートの音色を確かめておられました。

 ドラムを交えたり、声を出す時間もしっかり楽しんでおられました。なるほど、ここはこういう風にするんですねと熱心に取り組んでおられました。

 多分、年齢を重ねて行くと目が弱くなって絵が書けなくなるかもしれないから、その時の事も考えてしっかり笛を覚えたいですと口にされていました。この向上心と人生への取り組み方に感心しました。謙虚に学んで行こうとする姿勢から多くの事を感じる時間でした。

 健康である事、自分自身の道を静かに生きること。それを無言で伝えてくださいました。工房に足を踏み入れた時にも、こんなにたくさんの樹を削って、いい音を出せる様になる為には随分と苦心されたでしょうね。大変なお仕事ご苦労様です。ここで私の笛も生まれたんですね〜と話しておられました。

  周辺の草花にも目を配りながら、「お忙しいでしょうに、いろんな事をされてますね」と言いながら、草花の名前をしっかり口にしておられました。金魚を眺めた時、すぐそばにブラックベリーの実を見つけ「ちょっと食べてみようかな」と言いながら口にし「まだ酸味は強いけど自然の味がして美味しいね」と嬉しそうに味わっておられました。プルーンも食べられたら良かったけど、まだ早いみたいで残念だねと呟いておられました。

  帰る時間になり、またお会いしましょうといいながら握手をしましたが、その手は思ったより大きくしっかりしていました。

  再会の時は、自分の方がどれだけ健康でいられるか本気で気になります。生命体としてのエネルギーの質の違いをはっきりと感じる出逢いでした。
by ravenono | 2011-09-13 00:02
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