この道を歩く
情報の波の上を巧みに乗り越える作業がとりわけ放射能問題に向けられると、そのつもりはなくても、思考も意識も感情も多くの勘違いを起こすかもしれません。
原発事故直後のチェルノブイリ&福島原発 In KOCOMATSUセミナーは、放射能汚染の問題に具体的取り組むために企画しました。あれから1年以上過ぎました。その時、初めてガイガーカウンターに触れ、チェルノブイリの子供達を取り囲む現状についてはっきりと向き合いました。除染の事も、いざ事故になった時にどう対処すれば良いのか。簡易的ではあるけれど全身を汚染から守るための服装、マスク、汚染したものの処理など目の前で見る事ができました。 こういう事は、原発を各地に持っている国では当然のように取り組み、備えている必要があるのだと思います。それは原発の有無に関する価値観や論議とは別の問題かと思います。推進派も反対派も、汚染された空気を吸い込みながら叫んでも、命の危険を回避できるわけではありません。まず、命を維持すること。そこから次のステップに向かう。 僕はこの基本的なスタンスを、これから命を育む妊婦や幼児たちに向けて行動する事が大切だと感じて来ました。そのために全力を尽くす。この単純な事が、なかなか実践されないのは不思議な事です。 心ある人たちは、少なからず寄付金や義援金を差し出したことでしょう。果たして、その巨額の資金はどうなったのか?差し出したお金の使い道には全く関わる事ができない仕組み。目の前で幼子を抱えて困惑している若い母親たちが必要としていることに、いまだ具体的な助けが届かない。こうした矛盾に関して、長い沈黙が続いています。 この3月に福島に向かって、直接現地の状況に触れ、対話をしながら感じたこと。そこにはメディアが伝える情報とは違う風が吹いていました。僕にできる事は、そこで感じた具体的な必要のために黙々と歩き続けることです。 僕の言葉や思いの横をただ通り過ぎて行く人が多いのかもしれません。ああ、あの人はそんなことをやっているんだと知るだけで、具体的な一歩につながらない事も多いのでしょう。 ですが、逆に思いや言葉が風に運ばれて思わぬところから助けの手が伸ばされる事もあるのだと思います。前回は9人の木工作家を含めて60数名の方々が手を貸してくださいました。 一度目は意識が集中するけれど、二度目は流れが滞りがちになる支援の輪ですが、活動は継続しています。その土台は、声を交わし、顔を合わせ、理解し合える関係の中で継続する事です。それを前提に、「タングロン支援基金」という口座を作りました。 今は子供達が楽しめる様にと準備されているスマートボール、ミズカンリンバ、お手玉たちが生まれ始めています。新しい輪が繋がり、お手玉の作り方を教える人、縫う人、中身の豆をくださる方、缶を集める方、水をいれる方、繋いで接着してくださる方、綺麗に紙で包む方などなど。有機野菜や無農薬食品を宅配しておられる「むつみ屋」さんから野菜を配達してもらった時に、相馬保育園のお話をしましたら、自分もできる事をさせてくださいと言ってくださいました。そして、間もなく大量のタマネギを送ってくださいました。園長さんから電話があり、あまりたくさんだったので、子供達みんなで八百屋さんごっこをして、お家に持って帰って貰いました。そうしたら、タマネギ嫌いの子供がお家で美味しく食べたんですよ〜と嬉しそうにお話ししてくださいました。
by ravenono
| 2012-04-22 12:06
| 響きあう
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