KOCOMATSUでやってみたいことが幾つかあります。一つはこの秋に予定しているキャンドルスタンド(フォルダー)と蜜蝋キャンドルの展示会です。キャンドルの光が生活の中に浸透すると、何か不思議な力や大切なものが浮かび上がってくるように感じているからです。
もう一つやってみようと思っているのは、ディジュリドゥーの響きにどっぷりとひたりきるライブです。それも、一人の演奏者ではなく、複数のディジュ奏者が集まって交互に吹き交わしたり、一緒に吹くと云ったライブです。 ウッドベースだけのライブ、あるいはトンコリだけ,口琴だけのライブなどもいつか実現したいと思っています。こうした思いは、ひとつの響き、ひとつの楽器の持っている世界をゆっくり、じっくり感じることが大事だな~と感じているからです。 音響を使った大掛かりなライブや演奏、他の楽器と合奏するスタイルとは違う空間が必要だと感じているのです。音楽が、ともすればパフォーマンス中心になったり、技術の披露になりがちかな..と。それはそれで楽しさも満足感もあると思います。自分自身もそういう場に出向くことも少なくありません。 だからこそ、ゆっくり壁に寄り掛かって、のんびりじっくり一つの音の世界を感じる空間があればいいなと感じています。こうしたスタイルは、ある意味演奏者にとっては緊迫感があると思います。かすかな響きも忠実に響かせる空間ですから、まさに生音そのものが聴こえてきます。だからこそ、音楽の持つ魅力に触れられるような気もしています。 演奏者自身が楽しみ、満足できること。それが響きの中に集まる一人一人にも分かち合える。そんなことを、ゆっくりやっていけるといいかなと思っています。演奏者がたっぷりエネルギーを受け取れる場を持つことは大切だと思います。聴いてもらうと云う方向性だけでは気づかないものが沢山あると思うのです。 書きあげてみたことは、素朴にやってみたいことですが、色んなかかわりの中で新鮮な世界と触れ合う場が生まれればいいかなと思っています。 #
by ravenono
| 2010-08-12 11:05
| KOCOMATSU
8月8日のKOCOMATSU・オープン ささやかな感謝会が終わりました。天候はめまぐるしく変化し、晴れたり曇ったり土砂降りになったりでしたが、基本的には晴れて湿度の高い夏の一日になりました。
前日はおもてなし料理に取り組んで明け方近くになんとかひと眠り。天候によってセッティングが変わるので、どちらでも良いようにというスタイルになり、ちょっと大変..。 前日の夜は、初めてKOCOMATSUでの宿泊を体験しました。鳥たちの声に起こされて、ふと眼をあけると、目の前いっぱいにステンドグラスの光が飛び込んできました。視界ぎりぎりいっぱいに5枚のステンドの輝きが広がりました。 こういう目覚め方は生まれて初めて。何とも心地よく、すがすがしく、嬉しい目覚めでした。小さなスペースに注がれる豊かな色彩の光、静寂の中の空間は、心をゆっくりと満たしてくれました。何度か確認するように視界を広げてから感謝会の準備を始めました。 ポツリポツリとそれぞれのペースで集まり始めた皆さんとあいさつを交わしながら、のんびり食事を始めました。生春巻き、野菜のテリーヌ、スモークサーモンのマリネ、パプリカの冷スープ、ユリ根とかぼちゃのスープ、リンゴとレーズンの蜂蜜デザート、大根菜の油炒め、蕗の梅漬け、飲み物いろいろ。これに加えて、お持ち寄りの数々。中でもステンド作家のIさんのクスクス料理は好評でした。よくもこんなに食べ続けられるね~と言いながら、また..食べてる! 乳幼児の笑顔や楽しい動きもありました。フルートも吹きました、おしゃべりも弾みました。ディジュリドゥーもトンコリも口琴もドラムも楽しみました。そしてこの日は、何故かスズメバチも参加して、KOCOMATSUの天井にやってきました。8月の8の日に、八角堂?にハチがいっぱいという8尽くしの不思議な一日になりました。 次々とやってきて、それぞれ自由に引き上げる流れの中で、嬉しいプレゼントなどもありKOCOMATSUに来られる方々を楽しませてくれそうです。 八面のかべの内側に並んだ方々は、あたかも大家族のような賑やかさの中で楽しみました。入り口前のテーブルを囲んだ談笑も、夜の部で開かれたIさんのオーロラ写真の上映会も楽しみました。 少しずつ備品をそろえ、色んな形で生かされるスペースになっていくことを楽しみにスタートを切りました。対応に追われて、用意していたカメラのシャッターを切ることは一度もなく終わりましたが、それもまたよし。これから先へと目を向けたいと思います。様々な形でKOCOMATSUスタートに心をかけてくださった方々への感謝をこめて、報告させていただきました。 #
by ravenono
| 2010-08-09 11:49
| KOCOMATSU
KOCOMATSUでお茶を楽しむ会が開かれました。太陽が、この日のために惜しみなく光を注いでくれました。しかも、雲たちとの見事なハーモニーもありましたから、浮かんでは消え、消えては突如現れる。変幻自在なパフォーマンス見せてくれました。
静かで穏やかでゆったりした流れに加えていただき、心が心地良さに浸っているのが良く分かりました。いっぱいのお茶をゆっくりと味わう。その静けさの中に、新鮮な発見があり気づきがありました。 光の振る舞い膳のように参加された方の前に降り注いだ緑の光は、差し出された御菓子と一つとなって輝いていました。ただただ、時の流れの中の身を置いているだけで、たっぷりと満たされていく心。 音の響きで満たされたKOCOMATSUは、一変して、静かなお茶の場になりました。こういう場や時間を大切にする生活がどんなに満ち足りた歩みを生み出すものなのか、改めて受け止めることができました。 様々なアプローチ、行き交う言葉の数々、様々な情報や手段を駆使して忙しく動き回ることに慣れきった生活に、いつどんな風に心底休む空間と時間を差し出せるのでしょう。静けさそのものの中にたたずむことの大切さが、いつか分かち合えるだろうか..。 何もなくても良い、そこにいるだけで満ち足りてくる。そんなKOCOMATSUでのお茶会。また、いつか開かれるかもしれません。 #
by ravenono
| 2010-08-04 17:33
| 光の移ろい
JUN ISHIDOYA STAINEDGLASS
石戸谷 準 ステンドグラス 高窓三連作『ワタリガラスの神話』 ―「最初の光」 400h×400w ― 「受胎」 400h×300w ― 「開花」 250h×250w この三連作は、北米先住民に伝わる「ワタリガラスの神話」からイマジネーションを得て制作しました。 建物の八面の内、南~南西~西の面にそれぞれ「最初の光」~「受胎」~「開花」の各ステンドグラスが取り付けられており、青系~緑系~赤系の配色を計画しました。 各々の色彩は主題に即しているのはもちろんですが、方向による太陽光の特質を考慮したガラスの選択をしています。 作品の大きさも大~中~~小と変化していますが、これもまた方向による太陽光の変化と建物内部の空間の大きさを考慮して決定したものです。 「最初の光」 ワタリガラスの姿を光のイメージに被せて抽象的に表現するつもりでしたが、かなり具象的になってしまいました。どう見ても鳥ですねえ~。“何もない世界”を表現するために作品の半分を一枚の青ガラスが占めています。右側の緑系ガラスは次の世界「受胎」へと繋がる予兆です。 「受胎」 まだ動物がいない植物だけの世界です。最初の動物はいつどのようにして生まれたのでしょうか?おそらくは天上の種子が地球に舞い降りて、大地が受胎し母になったに違いありま せん。多くの神話が語り継いできたことを、最新の科学が証明しようとしています。 「開花」 植物は動物の成長を助けてきました。現在これほどまでに動物達が地球上に繁栄したのは、植物の支えがあったからです。「ワタリガラスの神話」では、“木はすべてのものの家”と言い、また“木々が私達人間を見ている”とも語っています。美しい花に見とれ、その香りに惑わされたとしても、暗い地中を這う根の存在を忘れてはなりません。 正面窓『森の音』 400h×1200w この作品が設置されている窓は、建物の入り口ドアを開けると真正面に見えるところに位置しています。訪れる人の最初の印象を決定付け、その後の滞在中にも本人が意識するしないに関わらず影響を与え続けます。音楽で言うなら主旋律を奏でる位置ですが、僕はあえてこの作品に静かな低音部の伴奏を任せることにしました。 作品は、音に関する3つのテーマに分割して表現されています。 左「吸収」 音は波。波が消えれば音も消える。このはかない音を残すために人間は様々な方法を考え付きました。しかし実は、それ以外のところにも音は残されています。植物や土や壁、床、天井、ガラス窓にも・・・。 中「反響」 音は光と同様、物に当たってはね返されます。直接鼓膜に当たる音と、どこかにぶつかってからやってくる音、そのわずかな時間的誤差が我々に空間の広さを認識させます。 右「共鳴」 全く違う物質でも、振動数さえ同じなら強い共鳴を起 こすことができます。では、光が音に反応して共鳴を起こすことはあるでしょうか? 玄関横窓『海の音』 2145h×341w この作品が誘うのは深い海の底です。太陽の光が届かない漆黒の闇の世界ですが、そこにも昼と夜、夏と冬の変化が届いているのではないかと思います。海中に咲く花が、夏の到来と日の出を告げています。窓の方角は東、朝一番の光がこの作品を透過して室内に射し込みます。 <溶け合う光> ステンドグラスの楽しみ方は、ただ絵のように正面から鑑賞するだけではありません。 ガラスを透して室内に射し込んだ光が、床や壁に投影する様を眺めることも格別の楽しみ方です。 時に従い刻々と位置を変え、天候に応じて一瞬のうちに表情を変える様は、建物の内部にいながら外界との密接なつながりを感じさせてくれます。 #
by ravenono
| 2010-08-01 23:59
| 光の移ろい
KOCOMATUが午後から夜中まで人と響きでいっぱいになりました。生音で、車座になって、じっくりゆっくり響きを楽しむライブが開かれました。演奏者も来場者も、それぞれに満足感でいっぱいの贅沢で幸せな時が流れました。
ちっちゃくても、いえ、ちっちゃいから生まれること、出来ることがあるのだと思います。みんなが響きに包まれるスペース。それぞれの楽器や歌声が持つ美しさ、素晴らしい世界が自分たちの身体も心も満たしてくれる世界。個々の響きが持つ、素敵な響きをじっくり、ゆったり感じて過ごせるように..。そこにいるだけで、心が感じている事に気づくようなスペース。 ここに集まって、ここから向かっていく..。屋根の上の風見ガラスが、見えない道を指し示し、それぞれの矢が向かうところに歩いて行く..。8本の柱で囲まれた小さなスペースから、それぞれに必要なメッセージを受け取るのだと思います。 色んな世界で生まれた楽器たちが見せてくれる不思議な響き。5人の演奏者が、それぞれが辿ってきた様々な心の思いを凝縮させ、表現し、分かち合う空間。それを生き生きと反響させ、みんなを響きで満たしてくれるKOCOMATSU。 森の木々が作り出してくれたスペースに感謝です。かすかな息使い、指先の動きを少しも逃さず響かせるスペースが演奏者を引き込み、繊細な響きに心を添わせる。それが聴き、感じる人々と繋がる。とっても贅沢で幸せなひとときが生まれました。 それぞれの演奏者の姿、響きが美しく、また気高くも感じました。そして、このために足を運んでくださった皆さんの存在は、何よりもすばらしい響きの仲間でした。 これからもKOCOMATSUの空間に似合ったことを、ゆるやかに、楽しみながら出来たらいいな~と思っています。 KOCOMATSUは単なるイベント会場ではなく、その響きの中で演奏者を育み、聴衆を育み、自分たちの人生を満たしている美しく尊い世界を感じ、感謝と幸せ、喜びを分かち合うために生かされてほしいと思っています。 プレオープンで奏でられたハンマーダルシマに続いて、馬頭琴、ホーミー、カンテレ、三味線、ディジュリドゥ、タンプーラ、ラブフルート。まだ、自分たちブルーレイバンの演奏がないという、不思議な流れが面白いです。 この8月8日のオープンには、皆さんに加わってブルーレイバンの音色もお届けしたいと思っています。 オープンの時には、楽器に限らず、何でも持ち寄って、楽しく過ごしたいと思っています。KOCOMATSUの誕生を喜んでくださる方とのちいさな出会いと繋がりに感謝です。 #
by ravenono
| 2010-07-29 11:26
| 響きあう
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